私にとって思い出深いフライドポテトは、ドイツに住んでいた頃、移動販売車で買って食べたフライドポテトです。ドイツではポンフリ(Pommes frites)と呼んでいました。
1974〜1976年にかけて、私は父の仕事の関係で、旧西ドイツの「フォルマールシュタイン(VOLMARSTEIN)という所に住んでいました。ドイツに行ったのは5歳の時でしたが、ドイツの友達と遊んでいる間に、子供の会話程度はできるようになり、ドイツの小学校にも9ヶ月通いました。(日本に帰って話す機会がなくなると、もったいないことにしゃべれなくなりましたが。。。)
少しドイツの思い出について書いておこうと思います。
ドイツの友達の家には、当時日本では私が見たことのなかったおもちゃがいろいろとありました。「マインツェルメンヒェン(Mainzelmännchen)」、「プレイモービル(Playmobil)」「LEGO」、「フィッシャーテクニック(fischertechnik)」など。そして、「ケットカー(KETTCAR)」と呼ばれるペダル式の子供用の車は、子供が操縦できる4輪車ということで、特別感のある憧れのおもちゃでした。柄が鹿の角でできたサバイバルナイフを持ち歩いている子供も多く、私が持っていたのは15センチぐらいの小さな物でしたが、大きなナイフをちらつかせている子もいました。

テレビ番組では、先の「マインチェルメンヒェン」がキャラクターの短編アニメが、「第2ドイツテレビ(ZDF)」のコマーシャルの合間に流れていました。そして、音楽では、オランダ出身の「ジョージベーカー (George Baker)」の「Una Paloma Blanca」 や、「ABBA」の「ダンシング・クイーン」が、当時のドイツでもヒットしていたのを覚えています。
食べ物についてですが、ドイツの食べ物といえばじゃがいも(Kartoffeln)、キャベツの酢漬け(Sauerkraut)はよく食べました。朝食はツビーバック(Zwieback)という甘いラスク、パンは丸いブロッチェン(brötchen)か、ちょっと酸っぱいライ麦パン。小学校に給食はなくて、ライ麦パンにチーズやレバーペーストをはさんで持って行ってました。そして、おかしといえば、ハリボー(HARIBO)のグミや、中からおまけ入りの黄色いカプセルが出てくる卵型のチョコレート、チョコレートでコーティングされたドーム型のおかし(おそらく、Super Dickmann’s)。これらのお菓子は甘くておいしかったですが、ドイツの子供達がおいしそうに食べるダイヤの形をしたおかし(SALMIAKKI)は、まずくて食べれませんでした。大人になって、日本のインドカレー屋さんのレジ横においてあった籾殻みたいなもの(フェンネルシード)を食べた時に、口の中に同じ匂いが広がったのを覚えています。
さて、ということでようやくフライドポテト(ポンフリ)の話に。
ドイツでは時々家族や友達とプールに行きました。その帰りに移動販売車で白いトレーにのったポンフリを食べました。外は暗くなっている時間帯、白い移動販売車、白いトレー、ポンフリに添えられているマヨネーズの白さが、暗い中で街灯の明かりに照らされている景色を憶えています。そこで食べたポンフリは細くて、端が斜めにカットされているシューストリングタイプ。揚げたての熱さと、ポテトの細くなっていく部分のカリッと揚がった感じがおいしかったです。マヨネーズは日本のマヨネーズよりちょっと酸味があったような記憶があります。
なぜ、ポンフリが思い出深いのでしょうか?食べた景色をよく憶えているから、味を憶えているからということもありますが、どうやら、みんなが、その食べ物のことを「ポンフリ」と呼んでいたことをよく憶えているからのようです。
そのポンフリと、ドイツの友達を懐かしく思い出して、時々ポンフリを移動販売車のように紙皿に盛って食べたくなります。いまは、ケチャップをたっぷりかけていますが、いつかドイツのマヨネーズを探して、食べてみたいと思います。
